私は母と二人でアパートに住んでいました。
私のしょげた姿を見ながら兄貴は相変わらず笑っていましたが、私を送ってくれました。
アパートに着くと、私の腫れた顔を見て母がビックリしたようです。
「どうしたの、茂?」
兄貴は相変わらず笑いながら、お袋に
「どの位の実力があるかちょっと試しただけだよ・・・」
そんな感じのことを、説明していました。
私は二人の会話を無視して布団の中に潜り込みました。
電気の消えた後、お袋の寝息を聞きながら、悔し涙で枕を濡らしながら、
「よーし、空手の稽古をしよう。必ず兄貴と春山を倒してやる」
そう心に誓いました。
皆さん元気ですか?アラバマは真夏に入りました。
容赦なく激しい陽が毎日ガンガン照り付けてきます。
こちらも、夏の陽に負けないように命の火を燃やしています。
気合を入れてガンガン燃やしています。
サテ、私の自叙伝、第6話ワンダフル空手です。
稽古が始まり、マス大山が真中に立ち両脇に黒帯の人達が並んでいます。
何故かどの黒帯もやけに鋭い目線を送ってきました。
大きな円陣になり、その円の中に初心者、白帯の人達が並びます。
私もその中の一人です。
後ろにも古い生徒が並んでいました。
君達は逃げられません。そんな並び方です。
私の眼の前には、頭に手拭を巻きつけたマス大山先生が厚い大きな胸を見せつけています。
茂兄に説得された次の日かそれとも2〜3日後か分りませが、とにかく道場のある池袋に行きました。
ちょっと不安な気持ちがありましたが兄貴の「ワッショイ、ワッショイ・・」と持上げる言葉にすっかり乗ってしまい入門する前に既に黒帯のような気持ちになってしまいました。
道場には赤鬼や黒鬼、閻魔大王みたいな連中がごろごろいるのも知らず胸を張ってイキがって、歩いていったのです
春の講習会、関東は東京で、関西は姫路で指導しました。皆の真摯な姿に接すると私も気合が入りました。気持ちよく汗を流しよかったです。
今回の指導のポイントは、「足の運び」と基本の技の関係でした。何時も話してるように、技に頼りすぎると自分の空手が狭くなる。師範や先生にも伝えましたが技や足の運びは常に追いかけて練らなくてはいけません。頑張って下さい。 サテ今月の私の話は道場入門です。
2月の始め寒波がここ深南部にも到来した。
身を斬るような寒さだった。
それがこの2−3日春を思わせるような陽気になった。
庭の端を見るとボケの花が咲き、水仙の芽が伸びている。
枯れた芝にも所々に緑色が見え始める。
春は其処まで来ているのだろうか。
きっと日本では梅の花が咲き始めたのではないかと思う。