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国際大山空手道連盟 WORLD OYAMA KARATE ORGANIZATION

秋ですサンフランシスコの旅 審査、講習会

9月11日 
いつ頃からだろうか、朝の目覚めが早くなった。
時々早朝の5時ごろに起きてしまうことがある。
郷田兄が「早寝早起きは3文の徳?」などと言っているが、ようするに我々はそれだけ歳を取ったということである。
それでも3文の徳かどうかわからないが、早起きは気持ちが良いというか、気が澄んだように感じられるのは確かである。特に晴れた日は清々しい。
まだ残暑が残っているが、朝夕の空気はなんとなく涼しく感じる。
ステラもハナも真夏の時より動きがシャープになっている。
朝の散歩スタートすると二匹とも私をどんどん引っ張って歩く。

 

9月12日 審査、講習会のためサンフランシスコに出発である。
サンホゼの支部も出席する。毎年の行事になっている。
斎藤先生も福西先生も良い生徒を持っている。
指導しながら一緒に汗を流すのは気合が入るし、気持ちがいい。
それになんといっても、サンフランシスコは海の幸、野菜果物すべてが新鮮で食事が美味しい。

 

 

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斉藤先生

 

 

審査講習会での宿泊は斎藤の家に泊まる。
午後予定通り到着し直ぐ着替えて道場に行く。
カッパを着て約一時間汗を流す。約6時間の空の旅それほど身体にきつくはないが、それでも汗を流すと身体も軽くなるし気持ちも緩やかになる。
なんといっても稽古のあとはビールも酒も食事も味がいい。

 

 

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斎藤家の最初の日は刺身の盛り合わせが豪華にテーブルに並ぶ。
それにタン塩だとかいろいろと、コレデモカ、コレデモカという感じで出てくる。また酒が美味い。もちろんビールもうまい。
飲んで笑って、喋って時には歌も出てくる。
みんなは昔話を期待している。
毎回おなじようなストーリーにならないように注意しているのだが、飲んでいるうちになんだか分からなくなってしまう。
時々話が重複しているようだが、みんな黙って聞いてくれている。
しかし私が唄を歌い出すとなぜか一人二人と部屋から出て行ってしまう。
私の歌はいつも決まっている。・・・ゴンドラの唄、あの・・・♪?いのち短し恋せよ少女、朱き唇あせぬ間に~?と言う詩である。
残念ながら最後まで歌えないのだが、昔から好きな歌だった。
飲んでいい気持ちなる、青春を思い起こし昔を偲ぶ、人生を思う。
自然に、・・・♪♪いのち短し恋せよ少女・・・、と唄が出てくる。

 

それでも最初の日は、明日の審査や講習会のことが頭にあるのか、あまり飲まないで早めに寝る。

 

9月13日朝の10時半から講習会が始まる。
今回は型、組手の関係を指導する。
動きを早くさせるため基本の型“その一から八”までを、四方の型を使って応用させる。
四方の型は、前後左右の動きになるので激しい動きが要求され、休みなく技の応酬につながるのでいい稽古になる。
指導の拍子、テンポが速くなるが生徒の息があがる頃合いを見計らって、型の意味、型に入っている基本の技一つ一つの特徴を説明する。
そこからいかに自分に合った拍子、技の流れの応用を説明して息をつかせる。
約二時間いい汗を流した。審査に入る。今回は斎藤と福西も受けた。

 

 

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左から、斉藤先生、最高師範、福西先生

 

 

ヌンチャク、サイ、トンファー、棒と4つの武具の型を見る。
ワールド大山空手では武具も構えから稽古に入る。
正眼、上段、下段の3つの基本の構えからその武具の特徴を生かした基本の技を稽古し、構えと技の関係をまず身につけるように稽古する。
型の意味を理解させ、型の動きをアレンジさせる。
その型から、どのように効果的に実戦に使いこなせるかである。
一つ一つの基本の技、動き、特徴と他の技のつながりを見る。
武具も普段から使いこなしていないと身体との一体感が消える。
頭で稽古してはヌンチャクもトンファーも身につかない。
基本や型を見れば、普段からどれだけ稽古しているか直ぐ見える。

 

昇級、昇段審査で一番大切なのは基本の型、その一から八まである。
この八つの基本の型をこなしていないと昇段はない。
前にも話したと思うが審査の時、審査を受けないが出席している指導員、黒帯、その他のアドバンスの生徒にも質問をする。ほとんど抽象的な回答が来る。
・・・もっと気合があればいい、力が足りない、腰が浮いている・・等、時々「すみません見ていませんでした」と返事をする。もちろんそこで私が怒鳴る。審査が一番疲れる。受けている生徒も、出席している生徒も緊張感を持たせる。審査は普段の稽古の成果を見せる場である。生徒が緊張しているとその人の癖がまともに出ることが多い。悪い癖、いい癖、気合の持続、一つ一つの技の決め、流れ、拍子、力、速さ…真剣に見る。
審査で明日からの課題が見える。それを本人に身体でわからせる。
だから私も真剣である。終わるとガクッとなる。
朝の10時半から午後の3時半までかかった。
時間がかかったが、受けた生徒も出席した黒帯その他生徒も気合があったから充実した気持になれた。

 

最後の晩はいつも“おでん”である。白石というサンホゼの道場生がトロ、焼酎を持ってきてくれた。
ビールを飲みながら4~5切れ口に入れる。とろける様にうまかった。
昔はハマチ、脂ののったトロが大好きだったが、最近はさっぱりしたモノに気が向く。やはり歳なのかも知れない。
しかし斎藤も福西も、その他大勢の黒帯も、審査が終わってほっとしたのか遠慮なくバクバク食べていた。若さには勝てない気がした。
気持ちのいい旅になった。

 

9月15日 起床6時15分。ステラとハナが私の顔を見てシッポを千切れんばかりに気合を入れ振っている。
まだ残暑があるが秋の気配が感じられる。
サンフランシスコの旅、講習会も審査もみんな頑張った。
気持ちのいい旅であった。
斎藤と福西から「お疲れさまでした」とメールが来る。
二人とも結構いい歳になったようだが、組手もバンバンやらした。
気合が入ってよかった。

 

散歩しながらいろいろ考える。
最近、自分が空手道の修行をしていること、また自分の修行で得た空手道を多くの人に伝えることがなんと幸運な事なのか、つくずく感じるようになった。
毎朝ステラとハナを連れて約2マイル歩くが、いろんな言葉がうかんでくる。

 

今日は晴れ お日様と語る
今日は雨 雨と語る
今日は曇り 雲と語る
虫の声、小鳥のさえずり 一緒に唄う
風のささやきを聞く
暑い日も寒い日も頑張る
暖かい日は踊り出す
生きている

 

今日散歩で浮かんできた言葉である。
命があることは素晴らしい。
毎日がチャンス。
そろそろ全日本選手権ワクワクする。

 

2015年9月15日稽古日誌より。

コメント (3) | 2015/10/05

エッセイ

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“秋ですサンフランシスコの旅 審査、講習会”へのコメント (3)

  1. 敬愛する最高師範毎回楽しいエッセイをありがとうございます。
    空手に邁進していつも研究して本当に尊敬します。
    身体大事によろしくお願いいたします。

    from イ-スト(2015/10/07)
  2. 私もゴンドラの唄好きです。

    from 押本龍一(2015/10/26)
  3. すごいご馳走ですね。
    昔よく美味しいものをご馳走になりました。

    from 押本龍一(2015/10/28)

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