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国際大山空手道連盟 WORLD OYAMA KARATE ORGANIZATION

第24回全日本大会観戦記

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10月18日2015年、全日本選手権大会、素晴らしい快晴である。
会場にいつもより早く出る。
中央のマット、左右の端のマットで子供たちの熱戦が繰り広げられていた。
郷田師範も私と一緒に観戦する。今大会はロシアからも選手が出場した。

 

 

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いつも海外に出て思うのは空手のレベルが上がっているといことである。
とかく日本の流派は閉鎖的な面が出る。
うちも然りである。海外の空手家は概ねオープンである。
自然と眼が肥えてくる。技や動きも他流派のいいところを抵抗なく取り入れる。
それでも日本の支部道場生そんなロシヤの相手を向こうにまわしてよく頑張った。
観戦していて感心した。
郷田師範もそろそろ他流派を招待してもいいのではないかと進言していた。

 


壮年部の試合で小島先生、三歩一先生が頑張った。

 

 

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三歩一の試合、相手は石渡。石渡、最近徐々に力を付けてきている。
派手さはないが正攻法の突きから下段で、三歩一を前半押していた。
そのまま石渡の勝利になるように見えたが、試合後半、三歩一が盛りかえしてきた。
熱戦になって、チョット唸らせた。

 

 

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石渡の息が上がったのか、技に切れが落ちたように見えた。
そこを三歩一我慢して凌ぎ、盛りかえしたのは試合経験が生きているからである。
石渡の攻めが、突きと下段に頼っていたので当然間合が近くなる。
三歩一の得意な右の下突きにチャンスが出たわけである。
石渡が右下段の回し蹴りに頼らずに、もっと直線の技、前蹴りを使ったらたぶん試合展開は違った様相を見せたと思う。
三歩一あの針金のような体から思い切って体全体を使った右の下突き。
一発か二発、石渡の脇腹に決まったように見えた。

 

 

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そこから試合が逆転したようである。
負けた石渡には悪いが、石渡にとって、いい経験になったと思った。
石渡が、この経験を生かすと彼の空手、組手の実力は更に大きくなる。
これは間違いない。負けて、失敗して強くなる。
これは武道の世界だけではなく、総ての世界に言えることである。

 

子供たちの試合、決勝で負けた選手の涙が心に残った。
チョット勝手に彼らの気持ちを道場物語り風に想像してみた。
「・・・おかし・・突きも当たっているのに、あいての奴どんどん前へ前へ出てる。
息が上がって苦しい、何故か分からない。
・・・アツ、突きをもらった蹴りも、入ってきた。ウグ、効いた。でも我慢しないと。先生が言っていた。相手はオバケじゃない。同じ人間だ。
でも僕の相手、顔つきがオバケみたいな奴だ。
気合い、気合い、お母さんの声が聞こえた。道場の友達の声も聞こえた。頑張ろう。
先生が「1から5、5から1・・・」と叫んでる。数学の授業かな?

 

 

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なんのコンビネーションか忘れてしまった。こいつ体が僕より二倍はある。
なんか突きもあたっているだが効いてない様だぁ。あと30秒、また突きを貰った。
アァ、上段の蹴り、何とか受けたが、バラスが崩れた。
「タイーム」終わった。2分が2時間になったように感じた。
主審の「判定」の合図、旗が3本相手に上がった。
急に悔しさが出てきた。胸が締め付けられそうで顔が歪んでしまった。
我慢しようと思ったのだが、涙が出てしまった。
試合が終わって、会長や最高師範に握手。
泉会長も師範も「頑張ったよ」と言ってくれたがやっぱり悔しさが前々どんどん出てきてしまった。うちの先生が「良かったぞ」と言ってくれたが、やっぱり悔しい。
大会前に何度も同じコンビネーションを稽古したのに大会の会場では足や腕が硬くなっていつもの道場との体が違って感じた。
でも試合には負けたがなんとなく自分に打ち勝ったような気持がする。
結構僕も勇気がある様だ。よし、これからも頑張ろう。
私のこの勝手な想像のモデルはいません。
毎回大会の挨拶で「大会は大いなる目的であると同時に新たな出発点である」と言っている言葉を、かみしめてもらいたい。

 

ナックダウンの軽量級の決勝戦、鈴木一太郎先生の動きまだまだ切れて若さを感じた。
中林、経験豊富な一太郎を向こうにまわして、気合負けしない動きを見せた。
中林、この先が楽しみである。

 

 

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こつこつと謙虚な気持ちで稽古を続けると、やがて大きな花が咲くように思う。
稽古は自分との戦いである。
稽古に入るときは素直な気持ちで入ることが大切である。
自分は強い「この野郎ぶっ飛ばしてやる」・・などと思ったり、俺は上手いなどと奢ってしまうと技は身につかない。
虎は兎を獲るときも、正確に構えを取り呼吸を伺い襲うと言う。奢らないわけである。
これは空手の道に入って50年以上たつが本当である。
稽古はまさに自分との勝負である。
素直さと頑固さを、両方もって練って、鍛える訳で有る。

 

あと印象に残った選手に戸村がいた。
実力が付いて来ているよう見えたが、詰めが甘く見えた。
息が上がってからが本当の勝負である。だから稽古を積む訳である。

 

こうして大会を振り返ってみると、いつもながら皆から元気をもらう。
勝った試合の笑顔、負けた試合の悔し涙、応援している家族、友人、同門の道場生そのすべてが私には明日の力となって入ってくる。
私もみんなに負けずに頑張ろう…そんな気合が胸の底から沸々と湧いてくる。
オス

 

コメント (1) | 2015/11/13

エッセイ

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“第24回全日本大会観戦記”へのコメント (1)

  1. よく話題になりますが、史上最強の男は誰だったのでしょうか? 極真時代から今までで、泰彦師範が見た最強は誰か? 教えて下さい。 春山さんですか? それとも、実戦と試合では違うので、誰とは言いようが、ないのでしょうか?

    from 佐藤勝弘(2015/11/22)

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