6月23日24日、黒帯・指導員の合宿が三浦ふれあい村で行われた。
皆、頑張って宝くじを買いましょう
鈴木師範、後ろから直井先生が狙っています。アブナイ・・・・
オイ、谷口先生。小森の足が違っているぞー・・・
早朝21日に出発する。
アトランタの支部長高橋夫婦と同じ便である。
座席は別々であるが、搭乗すると直ぐに先生「最高師範、ドウゾ・・」と言って小さな包みをくれる。
おにぎりであった。
流石、元内弟子気配りがナチュラルである。
このおにぎりがまたまたとっても美味しいのである。
三角ではなく、何故か高橋の身体と同じ様に丸かった。
「きっと握っていてうまく三角にならないので其のまま握り固めたようだ。
昔からアイツは忍耐が無かった様だが、おにぎりが絶品なので、不問にしよう。」
22日午後無事成田に到着。
極真会最高顧問郷田師範と、ワールド大山空手日本責任者鈴木師範に迎えてもらう。
相変わらず郷田兄、日に焼けてコンガリと良い色である。
野山を走り草原を駆け、常に空手道に精進している勇壮が垣間見えるようである。
「ウーム流石」と感心させられる。
しかし、・・・・・まさか、ゴルフ焼けではないだろう、と疑問が出るが、ジロッとあの垂れ眼で睨まれると、ソンナコトナイナと思った。
うちの鈴木師範、頭の上がらないオクサンの言うこと聞いて、何時もスタイルが紳士のようにきまっているのだが、何故か今日は半ズボンである。
太い、そしてどちらかと言うと短い、毛むくじゃらの足を見せている。
まさか、セクシーと思っていないだろうな・・・。
鈴木もソロソロいい歳だからチョット心配である。
一見すると、おじさんが小学生のスタイルで現れたようである。
最初はドキッとしたが、よく見るとなかなか愛嬌のあるスタイルである。
23日、いよいよ講習会がスタート。
今回のテーマはヌンチャクである。
先ず、始まる前に、ヌンチャクの紐、結び目をチェックしろ、隣の奴を信用するな、必ず十分な間合いをとれと注意をする。
構えとヌンチャクの振り、打ち技が密接に繋がっていることを説明する。
基本的な振り技、ヒラ、袈裟、縦、縦裏、縦表、八字、逆八字、小手八字、逆小手八字、投げ振りを指導する。
次に足の運びを付けてこなさせる。
アチコチでコキン、コーンと音がする。
「イテ」、「アイヤア・・・・」と泣きの音がする。
何でも事の始めは、厳しいものである。
しかし何となく愉しい音に聞こえるのは、何故かナ。
オレも昔は随分と痛めたものだ、そんな簡単にマスターされてたまるか。
1時半頃から、スタートして3時近くまで汗を流す。
皆それなりに格好が付いてきたようだ。
レッスンを受けている支部長、黒帯達に才能があるのか、それとも指導している人間が優れているのか、・・・当然後者だろうナ。
前列の鈴木、高久、山本、島本、原田は歳のわりには上手くなった。
島本に、「オッ、いいぞ・・」と褒めたとたん、間違えた。
これだから困る。調子に乗るなって。オジサン!
戸谷やマサ、一太郎はやはり若いせいか、安心して見ていられる。
ヌンチャク型、その一「構え」をこなし休憩に入る。
カウントごとに立ち構え、技をノートに書かせる。
いろいろヌンチャクの技や動きを説明しながら、「内弟子inアメリカ」の話に脱線して、何とか映画化したいから皆明日から宝くじをドンドン買え、と言う。
心なしか全員がオレを心配そうな眼で見ていた。
「夢を持て、希望が無くちゃやっていけないだろう・・・・あっ、そんな淋しい顔するなって、前に出る組手が基本だってナッ」
結局5時半まで稽古をして食事にする。
ヒレカツと3品ぐらい付いた。
串本の谷口、小森、下岡なんか嬉しそうな顔でパクパク食べていた。
稽古の時とチョット顔色が違うのが気になったが、頑張っているから嫌味は言わずにしよう。
夕食の後解散かと思ったら、また稽古、と鈴木が上眼遣いに申し込んでくる。
「ジョウトウダ!気合を入れていきましょう。」
腹がきつくなったのか皆の振りが重い。
それでも気持ち良く汗を流す。
大きな風呂にゆっくりと浸かり疲れを取る。
就寝の前に私の部屋でミーティング、懇談会がある。
支部長の報告を聞く。缶ビールが2本ずつ配られる。
ゆっくり飲む奴もいれば、マサや直井みたいに一気に飲み干し、隣人のビールをもの欲しそうに眺めている奴もいる。
良い気持ちになったので、樋原にその後ロシヤ語の勉強は如何してる、と聞く。
何故か全員の視線が彼に注がれる。
赤面しながら、「オス、学校が潰れました」とかしこまって言う。
ついでに広島の中村にインドネシヤ語の勉強を聞くと「オス、何故か学校に警察の手が入り、残念ながら勉強ができません」との事である。
二人とも真面目に語学に情熱を持っているだけに可愛そうに思う。
しかしチョット変わった奴らだ。
話が止まったところで、富山の三歩一支部長に歌でも唄え、と言うと何故か赤い顔になる。「オイ、そんな歳じゃないだろう。」
仕方が無いので、昔の話をする。
殆ど失敗談である。皆、涙を流して笑っていた。
何か漫才師になったみたいである。明日も早いので解散にする。
就寝10時半、宿舎が静かになる。
時差ぼけが一番酷いのは二日目である。今日が其の日である。
寝る前に輝とマサに揉んでもらう。心なしか、マサの手に殺気を感じる。
ヤバイと思い、二人を解散させる。危ない、アブナイ。
・ ・・・眠気がこない、本を読む。
隣でマサが鼾で唄いだす。音痴が、寝ながら唄っても音痴であった。
「ウーム、哀れ、頑張れマサ。俺も音痴だがオマエの音痴は、どうやら救いようが無い。これも天が与えた試練かもしれない厳しく生きろ・・・」
12時半、トイレに行く。歳を取ると便所が近くなる。
外に出たとたん、直井の元気な笑い声が聞こえてくる。
どうやら絶好調のようだ。弟子の菱木の苦労が理解できる。
・・・頑張れ菱木、オマエの気持ちよく分かる。きっと直井も目覚める時がいつか来るから、信じてやれ。
2時またトイレ、何か下の話ばっかりでシツレイ。
外に出たとたん、また直井の嬉しそうな声。
稽古のときは何処にいるか分からないのに終わったとたん、「直井デス、元気デース」では困るヨ・・・チョット反省してくれよ。
部屋に戻る。
マサが起きる。
寝ぼけた顔で、「オス」と私を見つめ、何かガッカリした様な顔でまた鼾を書き始める。
「最高師範、何か飲みますか?お疲れそうですから揉みますか」と優しい気配りがあって、いいんじゃないの?キミ。
何の夢を見ていたんだ。
オイ、可愛い女の子と酒でも飲んでいる夢でも見ていたのか?・・・モテナイ奴はかわいそうだ。結局、眠れず朝を迎える。
24日朝食の後、稽古に入る。
基本の振りから型、基本その一、其の二をこなす。
直井の動きが鈍い、後ろにいる谷口がおたおたしている。
菱木の心配顔が心に残る。
約束組手に入る。
ヌンチャクの約束組手は間違ったら大怪我をする。
前後左右間合いを確認し慎重に行う。
相手と組ます。
皆ビクビクしながらヌンチャクを振っている。
福田と菱木が組む。菱木の顔が青くなり痙攣しているようだ。
でも福田さんは一生懸命頑張っているから、間違って当ったら我慢しろ。
何でも身体で覚えなくてはいけない。でも当たったら痛いだろうな・・。
講習会はあっという間に終った。
基本的なヌンチャクの構え、振り、打ち、受け等分かってくれた様だ。
後はこつこつと稽古を続けることだ。
何時ものことだがやはり皆頑張っているのを見ると、気合が入る。
それにしても、戸谷輝先生がオレの身体を揉みながら、
「最高師範には後5年は頑張ってもらわないと困ります」
・・・オイ輝、オレは軽く10年はいけると思っているのに5年はナイジャナイデスカ!でも気にかけてくれて有難う。
走れる時に走り、跳べるときに跳ぶ。唄えるときに唄う。
まだまだ・・・オス!
皆頑張った、再会を誓ってオス!
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