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国際大山空手道連盟 WORLD OYAMA KARATE ORGANIZATION

TAKE A CHANCE 試写会

2月に入った。寒い日が続く。
それでも陽射しの中に柔らかい暖かさが感じられる。もう直ぐ春である。
東京で映画の試写会が2月7~8日に開催される。
2月5日の出発、早朝4時半起床5時に先生カールが迎えに来る。
空はまだ深夜である。真っ暗の空に星が煌々と光っている。
フライトは順調であった。アタランタの乗り継ぎもスムーズに、6日の午後成田に到着。直井先生に迎えてもらう。ホテルで郷田師範と合流。
今回の試写会をコーデネイトしてくれる関係者がポスター、チラシ、案内状をもってホテルまで出向いてくれた。自己紹介をしながら名刺を交換する。
郷田師範もすぐ名刺を出す。ここで最初の失敗である。
私は、なんと名刺を持ってくることを忘れてしまったのである。
すぐ直井に「オイ、名刺を渡しなさい」。直井、もぞもぞとポケットを探る。
表情がだんだんと泣きの顔色になる。「アッ、スミマセン忘れてしまいました」。
すかさず、郷田師範が呆れた顔つきで「これは~、駄目だ、名刺もないんじゃ、映画売れないよ~、」相変わらず郷田兄、辛辣な言葉をポンポン出す。
私も直井も沈黙である。寝る前にマサ師範が来る。近況を話しあう。
消灯は夜の11時、マサに揉んでもらったので身体がほぐれた感じがする。
うまく寝られそうだ。・・・だがやっぱり夜中に目を覚ましてしまった。

 

もう7日の朝かと思って外を見ると手の届くところに星が光っていた。
ベットの横の時計は午前1時であった。本を読む。ウトウトしてくる。
オッ、眠れそうだ、眼を閉じる。閉じた瞼の裏で、今日の試写会の事、どんな人が来てくれるのか? 果たして音響効果は大丈夫なのか? 今ごろ我が家では犬のハナはどうしているのか? 家人が散歩に連れて行ってくれてるのか、…なんか知らないが腹が減った。
直井が買ってきたきつねうどんでも食べるか、ちょっと喉も乾いた、ビールでも飲むか、・・・と色々と雑念が頭の中で踊りだす。
いろいろ悩んだあげく、決断をする。ヨシ、ビールを飲んで、うどんを食べよう・・・と起きる。そーだ、ビールの飲む前に風呂に入ろう。
湯上りの後のビールは味も格別だ。と言う訳で起きだす。
ビールもきつねうどんも美味かった。眠気は全然ない。TVをつける。
時間はどんどん過ぎる。窓の外、星空が消えて、段々と明るさを増してくる。体がだるく感じる。ヨシ眠れそうだ、時間は朝の6時、TVを消す。
カーテンを閉める。ベットに入って本を開く、なんだか、ウトウトしてくる。
う~ん、いい感じ、あ~、眠れる。朝寝、なんとなく贅沢に感じるが、時差だから仕方がない。郷田師範がくる9時半前まで寝られそうだ。
読んでる本の活字がモヤモヤと霞んでくる。あ~、いい感じだ。
休める。ところが、現実はいつも厳しいのである。
「ドンドン、♫♪!」なんだ、なんだ!誰かがドアをノックしている。
イヤ、ドアを殴っている。頭がボ~ットしている。
ねむけ眼で開けると、ニコニコ顔のテル先生が立っている。
清々しい顔つきで「最高師範お早うございます、ボディーガード、テルです」。
「う~ん」と唸ったが、わざわざは名古屋から駆けつけてきてくれたので何とか私も、引き攣った笑顔を返す。

 


テル先生「アツ!まだ寝ていたのですか?いつも時差で眠れないと言っていたので丁度良いのかと思い、早朝に来ました」「う~ん」とまた唸る。
テル先生は気合の塊である。ドンドン武道の話、カラテ道の話、いろいろと質問が出てくる。その質問がなかなか深いのである。
とくに一般のカラテ家が誤解していると思える、you tubeに出ている、あるカラテ家の話である。テル先生は頑固で一本気である。
いい加減な説明では通じない。
こちらも真剣に答えないと、逆に気合を入れられてしまう。
サンフランシスコの斉藤師範もいぜん同じような質問と言うか、同じようなことを聞いてきた。問題のyou tube 私もチラッと斉藤に見せてもらったが、バカらしくて見ていられなかった。
フザケルナ!このオヤジ!{歳は私より若い、しかし、おじさんである}約束組手を器用に見せて、カラテの極意なる事を説明している。
それも殆どが受けて投げる約束組手である。
カラテ道の稽古方法の中に約束組手は大切な稽古の一つである。
しかしそれがカラテの極意などと考えたらこれは大きな間違いである。
重ねて言う間違いである。
武蔵の五輪書、風の巻に・・・他の流々、芸にわたって身すぎの為にして、色をかざり、花をさかせ、うり物にこしヘたるによって、実の道にあらざる事・・。と、言っている。よく読んでみると良い。いずれカラテの極意、開眼のことは、私の自叙伝ワンダフル空手の中で詳しく話したい。このエッセイは映画の試写会の話である。
テル先生のおかげでチョット脱線してしまった。
テルが話し終わったとき、笑顔を見せなら、「オス、今朝は早く来て最高師範の話を聞けて得をしました」と、言ってきた。
きみね~、と思ったがこれも私の責務と思いあきらめる。
予定通リ9時半ごろ、郷田師範が部屋に来る。ドアの叩き方で誰だかわかる。
郷田師範は「ドンドン」ではなく「ガンガンガンガン~ガン」と叩くドアが壊れるぐらいの勢いである。いつも私は、部屋の中を走ってドアを開ける。
ドアの話はいい、話を試写会にもどす。
私と郷田師範それにボディーガード、テル先生、三人で渋谷にある試写会の会場、映画美学校に向かう。

 

いよいよ試写会である。最初の試写会は午後1時から、泉会長、それに朝日出版社の原社長、力男の奥さんフ~ちゃん、それに娘の桜子ちゃんも来てくれた。
マサ師範の両親、妹さんも子供連れて参加する。
高久師範夫妻、直井、小島、寺尾支部長、永井先生も出席してくれた。
極真会の支部長の人も顔を見せてくれた。
あとは映画関係者らしい。

 

 

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泉会長

 

 

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朝日出版 原社長

 

 

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フーちゃん、桜子ちゃん

 

席は70席であったが、殆ど埋まった。第一回の試写が終わってスクリーンの前のステージで質門を受ける。「この映画の監督さん」とアナウンサーの女性に紹介される。プロ的な感じがして、なんとなくこそばゆい。
何とか配給会社が決まり日本の劇場で上映できる為、頑張らないといけない。
監督の話を、と言うことになった。郷田師範の友人、実業家の南原社長がパート2を作る予定はあるか?と質問してくる。
私が南原社長に、貴方の店の一軒売り飛ばしてン億円、その資金で作りますと答えると、会場に爆笑が起きた。みんな喜んでくれたようである。

 

 

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極真会館の田村支部長、杉村支部長も出席してくれた。

 

 

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直井道場生

 

その日の第二回目の試写会は夜6時からであった。
良くは分からなかったがそれなりに映画関係者の人が来てくれたようである。
二回目の時は千葉さんが来てくれた。試写が終わって、質問、監督のエピソードなどの話になる。千葉さんと郷田師範が私と一緒に前に立った。
なにを話していいか分からなったが、思いつくままに話す。

 

 

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真剣佑はホント若かった・・・

 

Take A Chance が、真剣佑の映画初出演である。
ニュースで日本の映画祭で、真剣佑が新人賞を受けたと聞いた。
ますます日本で活躍しているようで、私としてもうれしい。
Take A Chance この映画がスタートするとき、LAでオーディションをした。
その時約800人ほどの人が応募に来た。
ハリウッドで生活する若い人は自分の夢にとてもハングリーである。
オーディションが終わろうとしたときに真剣佑がかけつけてきた。
あの時、彼は15歳であったと思った。マスクもいいが、演技が光っていた。一緒にいたディズニープロの人が、私に囁いてきた。
「彼は華がある。真剣佑を主役に使ったらいい。この映画、マサが大学を卒業した後の話だが、脚本を書き直し、高校を卒業した時の話に変えたらいい」と力強くアドバイスをしてきた。
そのアドバイスを受けて私が脚本を書き直した話をする。
郷田師範の役どころなんにするか、いろいろ考えたことも話す。

 

2月8日午後3時
同じように結構多くの人が出席してくれた。
松井館長も、郷田一門の河辺先生、新井さんも忙しい中駆けつけてくれた。
始まる前に河辺に上映中に寝たら回し蹴りがとぶぞ、と注意する。
終わった後、河辺が「う~ん、面白かったです」と優等生の返事。

 

最後の質問の時間、あまり質問がないのでこの映画の動機、ポイントを話す。マサ師範との触れ合いは、私の本、「内弟子INアメリカ」の中に書いた。
マサは私の最後の内弟子であった。
いまもワールド大山空手の先頭に立って活躍している。頼もしい限りである。マサの此処までの道程の中には想像するに、多くの葛藤、喜び、悲しみ、いろいろ事があったように思う。
それらの問題は多くの人に共通する事ではないかと考えている。
マサは、いろいろな壁を乗り越えて数多くのチャンピオン、トロフィーを手にした。そのマサの成長を目の当たりにしてきた話を伝えたかったのである。

 

これは私だけの意見だが、ハリウッド映画、日本の映画もマーシャルアーツの映画は、ほとんどが劇的なアクションを主に作成しているように思える。
だから映画を観終わった後、なんの感慨も心の中に残らないことが多い。
思うにカラテ道、道場の稽古には我々平凡な人間のドラマが溢れるようにある。
毎日その物語が稽古を通じて、道場で生まれている。素晴らしい事である。
カラテ道の素晴らしさ、そのことを多くの人に分かって貰いたかったのである。
それは私のカラテ家としての使命だと思い、ここまで走ってきたのである。
まさに“走れるときに、走れ”“飛べるときに、飛べ”である。
聞くところによると、ソシアルメデア{social media}でこの映画take a chance が騒がれるほど、劇場での上映チャンスが生まれると聞いた。
門下生、カラテ愛好家、おじさん、おばさん、お兄さん、お姉さん、君も、その又友達の君も、・・・とにかく、ガンガン騒いでほしい。
きっと映画を見たらカラテを稽古したくなると信じている。
みんなの協力をお願いしたい。宜しくお願いします。

 

 

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松井館長も感心して観ていた。

 

夜は竹寿司で松井館長、郷田師範、南原さんの4人で食事。
アンコウ鍋である。ビールも酒も仕事が終わった後は美味い。
自分ながらよくここまで来たと感慨無量である。
松井館長が「まさか映画が完成するとは思いませんでした、ホントよくやりましたね~」。と感心していた。
なんでも情熱があれば、勉強もする、努力も苦にならないのである。
頭が痛いのは資金の面だけである。こうして映画が完成して思うことは徹すれば何とか道は開けるものだと、思った。まさに人生は自分との挑戦である。

 

もう一つニュースがある。なんと驚いたことに、ロンドンの国際映画祭で私が最優秀監督賞にノミネートされていた。アトランタのツトム師範から電話が入る。二人で思わず笑いだしてしまった。残念ながら賞は逃がしたが、気分は爽快である。

 

 

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Best Director | London IFF 2017
Take A Chance
Shihan Oyama

 

 

最後にもう一度、なんとか日本の劇場で上映できるよう皆の協力が必要です。
Social Mediaか何だか知らないが、ガンガン騒いでもらいたい。
健康第一 オス

コメント (1) | 2017/02/26

エッセイ

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“TAKE A CHANCE 試写会”へのコメント (1)

  1. 参りました!嬉しいです。

    from ryuichi oshimoto(2017/03/07)

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