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国際大山空手道連盟 WORLD OYAMA KARATE ORGANIZATION

JAPAN CUP観戦記

昨晩は冷たい雨が一晩中降り続いていた。
今朝は素晴らしい晴天である。
青空が濃い澄んだ色を見せている。
どこまでも深く無限である。
じっと見ているとその青さに身体が吸い込まれていくように感じる。
 
昨日の雨で全ての木々が綺麗に洗われた。
アラバマは常緑樹の松の木が多いが落葉樹も点在している。
特にカナデヤンメープルは毎年秋になると豪華に紅葉を見せている。
今朝も柔らかい陽に映えて紅がかったゴールドの葉が美しい。
穏やかに流れる風に当たるとキラキラと輝いて紅葉が歌っているように見える。
 

“♪♪朝だー、素晴らしい朝だー♪“ 
気持が踊りだす。
久しぶりの朝の散歩である。
ステラもハナも私の顔を見てエキサイトしている。
 
生きている事は素晴らしい。
こんな朝を迎えたことでなにか得をしたような不思議な気持ちにさせられる。
 
そこで大会観戦記である。
2~3項目をあげて話をする。
 
 
基礎体力。
まず技術的なポイントを話す前に感じたことは、選手がもう少し基礎体力をつけたら良いのではないかと思った。
技そのものは出ていたが技に力、スピード、切れが足らないように見えた。
これは基礎体力が不足しているからである。
 
もちろん大会での組手は道場での組手とプレッシャーが全く違う。
当然身体がいくらか硬くなる。
身体が硬くなると全体のバランスが崩れる。
技に一体感が無くなり切れが出てこなくなる。
息が上がるのも早くなる。
ここで普段の稽古でどこまで気合を入れて自分を追い込んでいるか、その差が出て来る。
 
 
試合を見て感じたことは、突き込み蹴り込み等が甘いように見えた。
息が上がって気合が落ちて来ると先ず立ち方構えに出て来る。
気ばかりが前へ前へ出てしまい腰が浮いてくるのである。
腰が浮いてくると突きも蹴りも手だけ足だけの技になりパワーも切れも落ちてしまう。
稽古は息が上がってから本当の稽古になる。
ここで気合をいれなければいけないのである。
 
基礎体力は一夜付けではできない。
コツコツと毎日積み重ねていくのである。
頑張れみんな!
 
 
正拳、下段回し蹴り。
技のポイント、ナックダウンの基本は正拳、下突き振り打ち、下段回し蹴りを先ず正確に身に付けること、同時にその受けをしっかりとマスターすることである。
この近い間合いから足の運びを使い自分の呼吸,拍子、テンポで試合を運ぶ。
そこから相手の上段、中段、肝臓レバー、水月等を狙う。
 
最初から相手の顔面に回し蹴りを出すのはかえって相手に自信を与えてしまう。
なぜなら経験の浅い選手は直ぐ顔面へ蹴りを出す。
相手の気を煽る、誘う、ために出すのは別である。
そこまで読んで組手をしている選手は残念ながら一人もいなかった。
直井先生はこのポイントをよく理解してコーチをしていた。
流石元チャンピオンは違う。
 
基礎体力のところで話したが突き、正拳を出す時選手の腰が高い、ともすると浮いている立ち方であった。
突き技はすべて足腰の力が生きないと力強技にはならない。
また、突き技の稽古で相手と相打ちなる気合を育てることが大切である。
 
 
それと全体的に下段回し蹴りが少ない。
私は選手に3分の試合時間に下段回し蹴りは相手の右か左を少なくとも100回は蹴れと言う。
もちろんただ下段を蹴れと言うのではない、先に攻め又は受けたら即返す等足の運びと他の技と結び付けて出す。
相手の気を下段に向けさせ又はダメージを与え、そこから上段中段に技を散らすこれがナックダウンの試合の基本的な型である。
 
狙う技はそれぞれ個性を生かし得意技を練り上げる。
得意技を決め技にするのだが時として相手を煽るため決め技を捨て技に使い、つなぎ技の後また決め技に戻る使い方も、稽古したら組手の内容が大きく深くなる。
 
 
話が段々と、お説教めいてきた。
結論はもっと正拳と下段の蹴りをしっかりと身に付けることである。
教典その1・その2をよく読んでもらいたい。
 
 
膝蹴り。 
軽量、重量級の試合では膝蹴りで相手の中段を攻めていた選手が結構多かった。
膝蹴りは教典その1から出ている。
白帯から稽古に入る訳だが簡単なようでなかなか難しい技である。
相手が前へ前へ出て来る時はそれなりに効果があるが、自分から突き技で前へ出て膝蹴りにつなげるとほとんどヒットしないし、ヒットしても浅い。
 
何故、力強い膝蹴りが出ないのかと言うと、間合いが難しいのと膝蹴りの技を正確に身に付けていないからである。
相手の道着、身体を掴んではいけないルールでは上体の返しをシャープに使わないと膝頭が鋭く出ない。
この基本的な上体の返しが試合になるとどの選手も上体が前へ前へ出てしまい膝蹴りのタメも返しも甘くなってしまう。
一見すると膝蹴りに見えるが膝蹴りの特徴を生かしてないのである。
相手と身体が触れる間合での技は身体全体のバネを鋭く使い切らないと生きてこない。
難しい技なのである。
 
 
足の運び。
2~3の選手がうまく足の運びを使って試合をこなしていた。
試合がもつれた時に相手の死角に回り込むように足の運びを使っていた。
これは良かった。
ただ、足の運びで相手の攻撃を外し息をとっていただけなのは残念であった。
 
足の運びに力強い反撃の技が見られなかった。
もう一歩前進して足の運びに力強い技を結び付けると組手がもっと深くなる。
相手の攻撃を回り込んで外し即反撃に出る、これからの課題である。
変わる組手で大切なことは相手の技を外した瞬間、技を返すことである。
 
 
でも先は明るいように見えた。
来年は全日本も20回を迎える。
私もただ座って観戦するだけでなく演武でも・・・と考えている。
 
大会は大いなる目的と同時に新たな出発点である。
みんなも頑張って稽古に励んでもらいたい。
とにかく、突ける時に突く、蹴れる時に蹴る。 
 
オス

コメント (0) | 2010/11/17

エッセイ

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