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国際大山空手道連盟 WORLD OYAMA KARATE ORGANIZATION

秋です読書です

紅葉が散り始めた。
何か物哀しい感じがする。
久しぶりの休日、裏庭に散った枯れ葉を掃き集める。
軽く汗ばむ、身体が暖かくなると動きが軽くなる。
 
まだまだ若い、うぬぼれが出て来る。
気を付けないと古傷が出て来る。
調子に乗って飛んだり跳ねたりすると後で大変なことになる。
 
 
庭掃除が終わった後、走ろうかと思ったが、やめて本を読むことにした。
昔から秋は読書の季節、シーズンという。
綺麗に掃き清めた庭、ベンチに座り午後の柔かい秋の日を浴びて本を読む。
足もとでステラとハナがうたた寝を始める。
チョット冷たいビール・・・と気が動く。平和な時間、家人を怒らしてはまずいと自制する。
 
 

しかし贅沢な時間である。
私の読書は乱読である。
何でも読むが少し前は藤沢周平の本を読んだ。
ハマってしまった。
“蝉しぐれ”は3回ぐらい読んだ。
 
学生時代は硬い文学書も読んだ。
ロシア文学も脂汗を流しながら読んだ。
トルストイの戦争と平和、ドストエーフスキイの罪と罰、カラマゾフの兄弟。登場人物の名前がえらく長く難しく、誰が何者やら分からなくなった。
読みながら人物を別の用紙に書き込みながら必死に読んだが、ストーリーなんかチンプンカンプンであった。
それでも気合を入れて睡魔と闘いながら汗を流し読んだ。
読んだ後の感想はなにか拷問を受け、そこから上手く逃げ出した安堵感だけであった。
 
 
それから司馬遼太郎の本にハマった。
何でも片っ端から、司馬遼太郎の本は読んだ。
だが“竜馬がゆく”は何と文庫本で8巻まであったのでなんとなく手が出なかった。
 
 
ところが・・である。
私の最後の内弟子、練馬のマサ先生が何とその“竜馬がゆく”の文庫本をもって今年アラバマのサマーキャンプに颯爽と現れたのである。
驚いたこと腰が抜ける様であった。
私だけでなくそれなりの読書家であるアトランタのツトム先生もチェルシーの鉄先生もあいた口がしばらく塞がらない状態であった。
 
何故かと言うと、マサ先生は内弟子時代、吉川英治の宮本武蔵を読ませたところ2~3ページ読むとあどけない顔をして夢路へと急いでいた。
そのマサ先生が、私がその長編に恐れをなして手を出さなかった全8巻の“竜馬がゆく“の文庫本を持って現れたのである。
 
マサ先生、涼しい顔して「最高師範読みましたか?なかなか良い本ですよ!」
「ウーン」思わず殺気が出る。
しかしマイリマシタと出てしまった。
 
そこまでマサ先生に言われてはこちらもさがれず、気合を入れて読み始めた。
読み始めるとなかなか止まらず寝不足が続いた。
私が読み始めると鉄先生も読み始めた。
アトランタのツトム先生は何故か興味を示さなかった。
 

 
読み始めて1カ月半で読み終えた。
どこに行くにも”竜馬がゆく“をもって少しでも時間があれば読んだ。
レストルームにも勿論持って入った。
足が痺れたことが何回もあった。
何故かマサ先生の顔と竜馬の顔を思い浮かべながら読んだ。
もっとも途中でマサ先生は消えた。
 
流石司馬遼太郎である。
読んだあとも幕末の緊張感がビシビシと伝わってきた。
どの巻にも印象に残る言葉が煌めいていた。
 
 
第4巻・・・ 武士の切腹が「美」にまで高まり、かつその例がもっとも多かったのは戦国時代と幕末であって、徳川中期の泰平の世には疎んじられた。
扇腹というのがあって、短刀がわりに扇を腹にあてるだけで・・・・
が、戦国、幕末といったように時代がたぎり、緊張してくると、男というのは自分が男であることの美を表現しようとする。
この時代数えきれぬほどの武士が切腹したが、ことごとくみごとであった。
・・・「時代がたぎる」読んでいてこちらまで幕末に引き込まれて仕舞った。
 
 
勉強になった。
マサ先生にマサに感謝である。
良い本に出会うと読む場所や時間を選んで、だれにも邪魔されないように読む。
本の終わりが迫ってくると出来るだけゆっくりと味わって読む。
なんとなく終わりたくないような気持ちにさせられる。
“竜馬がゆく”この本はまさにそんな気持ちにさせられた。
もう一度拾い読みをしたくなった。
きっと新しい発見があるようだ。
 
このエッセイを書きながらちょっと気になったので “竜馬がゆく“の感想を練馬のマサ先生に聞きたかったのでメールをしたところ、なんとマサ先生まだ終わってないとの返事。
 
「エッ、君ねー・・・まさか宮本武蔵の本と同じように眠り薬の代わりではないのでしょうね!」と出かかったが、我慢した。
チョット脱線するが私はマサ先生のウエップサイトのエッセイのフアンである。
何時も楽しみにしている。
 
 
本題に戻る。
本を読むと想像力が豊かになる。
良い本に巡り合うと勇気や活力をもらえる。
もちろん人間の深層に触れたり愛憎等いろいろな面を知ることもあるが、私は単純に読んだあと元気が出る、勇気が出る、時として笑える本が好きである。
・・幕末の時代がたぎる・・・現在の時代はなんなんだろう・・・。
ともあれ読書の秋、稽古の後くつろいでなにか本を読むのもいいものである。
 
読める時に読む。
オス

コメント (0) | 2010/12/04

エッセイ

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