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国際大山空手道連盟 WORLD OYAMA KARATE ORGANIZATION

2015年春季講習、審査会

3月18日
早朝、久し振りに朝焼けを見る。予定通りカールが迎えに来る。
寒い冬の間、街中ですれ違う人、なんとなく目線がふさぎがちである。
今日は快晴である。散歩に出る人が胸を張って歩いているのが見える。
一挙に春が訪れた。
木蓮の薄紫の花が8分咲である。我が家のしだれ桜もほんの少し、咲き出した。
まだ3分咲ぐらいであるが、うすい赤みかかった白い花、気持が温かくなる。
さぁー日本の春季講習会、審査会である。気合が入る。

 

昔から指導や演武でアチコチと道着を持って跳び回っている。
時々カラテ家や門下生だけではなく、カラテに関係ではない人にも良く聞かれる。
「最高師範はいつもどのエヤ―ラインを使っているのですか?」
「はい、だいたいデルタ航空です」決まって次の質問がくる。
「勿論、ファーストクラスかビジネスクラスですよね?」きっと私の歳や、師範と言う立場から、こう聞いてくるんだろうと思う。
「いえ、エコノミーです」と答える。「ハァ~」となぜか驚いた表情を見せる。
一年に最低三回は日本に来ている。そのほかにも国内、海外に飛び回っている。
当然マイリジ{MILES}が貯まる訳である。むかしはそのマイリジでビジネスクラスなどに乗ったが今はチョット事情が違ってきた。
マイルがたまっても家人、娘や息子が当然の顔付で使うのである。
私は何も言えないのである。ただオスの二文字である。
ちなみにビジネスクラスは約8千ドルである。
円安の現在驚くなかれ、日本円に言いかえると約100万である。
古希を過ぎた歳ではあるがまだまだ私は現役である。
思うに、贅沢は身体に悪い。・・・でも時々はしてみたいと~、思う事もある。
私も人並みに欲望を持っている平凡な人間である。
しかし普通の人達よりは稽古をしていると思う。だから健康である。
エコノミーで充分こなしてしまう。
ただ席はいつも通路側である。
何故か、それは便所が近いからである。「マサ、直井、なにも言うな!」
と言う訳で出発した。予定どうりアトランタから成田に順調に進む。

 

いつもながら旅に出ると、いろいろと普段考えてないことが浮んでくる。
ふっと、自分の身の周りを静かに見つめ直すことが出来る。
飛行時間約14時間、どうやってこなすか、毎年のことなどで慣れている。
先ず気持を緩やかに持つため、本読む。
次に門下生、黒帯、支部長を思い出し、いろいろと想像をする。
支部長AとBCは立ち方に、支部長C、DEは突きに、蹴りに悪い癖がある。
Y支部長は気合いがない。だから門下生も気合がない。
支部長に気合がないと、カラテの稽古が小学校の自由時間のクラスのようになる。
いつも支部長達にアドバイスはしているのだが、返事は「オス、オス」と分かった様にくるのだが、自分だけのマイペースでいくのか、それとも聞く耳を持たないのかあまり進歩がない。
しかし支部長全員との再会は楽しみである。
一人一人の支部長のことから、指導や稽古全般のことに思いが移る。
稽古の内容、指導方法を考えながら、ときどき書き物をする。
気分転換のため映画を見る。
自分が作っている映画、[TAKE A CHANCE]の事を考える。
今回の来日、予告編を講習会で見せる。エキサイトである。
いよいよ完成まで後わずか、気合いが入る。
思いが、とんでもない方に大きく飛躍する。自分をなだめる。
腹が減る。機内食、あまり・・・だが黙って食べる。
日本での寿司、焼き肉、焼き魚、もうすぐ~、などと考えながら我慢して食べる。
何回かトイレに立つ。回数は書かない。ちょっと黙想をする。
・・・こんな感じでいつも旅をする。

 

 

3月19日
午後4時過ぎ、無事成田到着である。
成田は生憎の雨であった。ちょっと肌寒い。
郷田師範、直井先生に迎えてもらう。いつもながら二人とも元気である。
私も負けずに元気である。
ホテルにチェックイン、先ず風呂に入る。気持がいい。
正直な直井すぐに逃げだしたい顔付を見せる。
早く帰って赤ちゃんと遊びたいのである。
すぐお説教をする、二人の老人の世話よりは輝く未来が待ち受けている、我が息子の相手の方がいいと顔に書いてある。
私も郷田兄も簡単には帰さないのである。直井の顔に段々と殺気が出てくる。
そこで「君の御役目御免」と言う。パット、直井顔中いっぱいに喜びを出す。
夜の食事はもちろん寿司である。郷田兄の子供の頃からの知り合いの店、竹寿司。
ちょうどホテルからタクシーでワンメーターでいく、近いところである。
郷田兄が帰った後マサ先生が部屋にくる。雑談の後、マサージをしてもらう。
途中なぜか私が鼾をかいてしまうようだ。
毎回同じようなスケジュールである。

 

 

3月20日
郷田兄と二人で荒井力男の墓前にお線香をあげに行く。
昼食をフーチャンに御馳走になる。鰻の蒲焼であった。
そのほかにフーチャンの手料理が出る。豪華である。
郷田兄とバカバカ食べてしまった。二人とも食べ過ぎである。

 

 

3月21日
予定表には鈴木師範が朝6時に迎えにくるとある。いつもながら時間にピッタリくる。ホテルから東京駅までタクシーに乗る。運転手がルートを聞いてくる。
鈴木しどろもどろ、道が分からないらしい。
アラバマの田舎にいる私の方が東京の道を知っているようだ。
新幹線で姫路まで快適である。

 

 

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姫路春季講習会集合写真

 

 

予定通リ姫路に到着。山本師範に迎えてもらう。
今回の講習は“立ちと足の運び”である。
どうしても技ばかり追いかけるようなってしまい、その技の基をもう一度見直さして正確で力強い技を身に付けさせる。
技の前の体勢、技を出す、技の終わった瞬間、その体勢。
そこを多くの門下生や先生が忘れ勝ちと言うか、気を抜いてしまうようだ。原点に戻る。
テル先生が名古屋から駆け付けてきたのだが途中交通事故に出会い遅くなった。
審査の時にテルの生徒の動き技の出し方をチェックする。
講習会では山本、幼稚園か小学校の生徒を相手にするような感じで号令をかけているので、なんとなく静かであった。
相変わらず山本は優しい、しかし頑固でマイペースである。
私と鈴木がガンガン声を出しているのだがあまり効果がない。
そんな体育館にテルとその生徒がはいった途端、突然一変してパワフルな気合が響く。
気持がいい、普段から気合を入れているテルの指導が目に見える様である。
指導は先生が先ず気合を入れ、情熱を持つことが基本である。
何とか無事講習会と審査を終える。
映画の予告編、見せたかったのだが山本が手配してあったDVDのマシーンが古すぎて上手く起動しなかった。なぜか鈴木が不思議な笑いを浮かべていた。
残念だが次の機会に見せる事にする。しかし姫路城は豪華で素晴らしかった。
帰りの新幹線、いつもの様に鈴木は黙想しながら鼾をかいていた。豪傑である。

 

 

3月22日
やはり時差で真夜中の2時ごろから起きてしまった。なんとか目をつぶり頑張る。
頭の中で、ヒツジを一頭、二頭~100頭と数を勘定する。ヒツジが何千頭になる。
ときどき5~6頭ぐらいになると雑念がはいり、やり直し又最初からスタートする。
その繰り返し、悶々と時間との戦いである。
外が薄らと明るくなってきたころ頭からヒツジが消え、寝むけがくる。
「オッ、眠れる」スーと意識が遠くなる。夢路の中に入ったと思った瞬間。
ドアの外から元気のいい石川先生の声「オス石川です本日はよろしくお願いします」
ここはアラバマかそれともイラクか、そんな感じで何とか起き上がる。
石川の後ろにマサ先生が腹がへった様な顔で「オシー」と言いながら入ってる。
昼食、サバの味噌煮にナメコ汁、キンピラ、カブとキュウリのおしんこ、マサと石川二人の野獣に囲まれて食べる訳である。ちょっと想像してもらいたい。
戦争、ケージファイト、真剣勝負が始まる。気合が入る。負ける訳にはいかない。
食欲は人間の本能である。結果は頑張って引き分けにもちこんだ。

 

 

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東京春季講習会集合写真

 

 

講習会、審査会場がいつもより狭かった。
稽古の始まる前に、映画「TAKE A CHANCE」の予告編を見せる。
さすが直井、姫路と違ってマシーンが最新式で、バッチリ見えた。
結構みんなエキサイトをしていた。いい感じである。
会場が狭いので3つに分けて指導する。
それでもみんな気合いが良く気持のいい指導が出来、いい汗を流せた。
ホテルに帰り、シャワーを浴びて、マサと石川にマサージをさせる。
二人とも疲れているのか指、掌低に力がない、くすぐられているような感じである。
「君達、あとで特別に秘伝を教えてあげる。この秘密の技や動きは一度身に付けるとゴジラでも倒せる。だからいい加減にマサージをしないで尊敬心と愛情を持ってやりなさい。」それから急に指に力が入ってきた。二人とも素直と言うか、なんと表現したらいいのか~とにかく純粋と言うか単純である。きっと長生きすると思う。

 

今回の講習会、審査会で感じた事は、指導することは自分の稽古だと言う事と、指導するには情熱がないといけないと思った。
指導することは自分の稽古と言う事は、本人がどれだけ稽古を積んでいるか、どれだけカラテ道に情熱を持っているのか、・・・だと思った。
もう一つ、講習を受ける生徒、審査を受ける生徒の立ち方、技、動き、気合いを見るとその先生の動き指導が、全部ではないがある程度みえる。
どんな稽古をしているのか、先生が気合を入れて指導しているのか、それとも生徒がリードして稽古を流しているのか・・・見えるのである。
ワールド大山空手には、稽古の基準、内容となる空手教典1~4巻があり、さらにパーフェクト空手がある。
もう一度しっかりと読んで、情熱を持って稽古に精進してもらいたい。
私もまだまだ頑張ります。だから君達も頑張ってください。
6月の支部長合宿での再会楽しみである。ホント待てません。
オス

コメント (1) | 2015/04/14

エッセイ

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“2015年春季講習、審査会”へのコメント (1)

  1. いつも、ありがとうございます。押忍

    from Sensei F(2015/04/19)

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